二月十四日

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それでも、両親は頑張ってくれた。父は、祖父の残した候補の『鶴子』にするのを断固拒否してくれたし、母は「いっそ、ひらがなで」と言ってくれた。これが下手に『美鶴』だと、またゲームキャラになってしまっていたので本当に助かった。 (大切な人達の為に戦って、その後を追って死んで……スゴいとは思うけど、そんな激しさ……情熱?は、解らないよ) だから、今はこうして父親に渡すだけで十分。 その日の食卓で、照れながらもカップケーキを受け取る父親を見ながらみつるはそう思った。
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