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「あなた、この書類でよくも出そうなんて考えたね?
一度頭カチ割って脳味噌調べてみたいもんだ。
今日中に総てやり直し!
必ず今日の定時までに提出!」
「ここ!
こんなミスしたまま提出すんな!
やり直し!」
「今からの会議資料は?
さっさと見せる!で、資料なんだからコピーして配布!
前日にやっとけよ…情けない。」
今日もフロアじゅうに私の怒声を響かせて一日が始まる。
毎日のこれのおかげで、拡声器無くても遠くまで声が響くようになった。
十数人しか居ないこのフロアが、誰も居ないかのように静まりかえる時間。
誰もが目を合わせない。
私だけがひたすら叫ぶ。
叫ばないとやってられない。
ようやく手にした部長の役職。
部下は当然、同じレベルか少し下くらいで仕事が出来ると信じていた。
が、初日から裏切られた。
舐められては困るから…いきなり叫んで威嚇。
じゃないと、私が引きずり降ろされる。
「弱肉強食。」
食うか食われるか…。
ならば、食らいついてやる!
バンッと書類を派手に机に叩きつけ、会議室へと向かった。
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