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 ちぃくんの態度が変わった気がする――  そう思い始めたのはいつのころからだろうか? ……いや、違う。ほんとは私、分かってる。  ちぃくんが変わったのは、あの日。  あの日、あの人に出会ってから。  そのことに気がついているけれど、それを問いただす勇気もなくて。ただやるせない気持ちでいつも通りに過ごしてる。  でも本当は自信が無い。いつも通り、が出来てるのかどうか。だって、ほら……ちぃくんの握りしめる手を緩める癖がついたから。  手放されたら怖くて、それならいっそ自分から離そうって思い始めた。でも離したくなくて、中途半端に緩める。  離れたら嫌だと思いながらも、離れたほうがちぃくんはホッとするのかもしれない。そんなことまで思えば、とことん気持ちは落ち込んでいって、ココロの中はぐちゃぐちゃ。  きっかけは喧嘩だったけど、私とちぃくんの溝は多分そこじゃないってことはよく分かってるし、自分に悪い部分がたくさんあることも分かってる。  それに、言葉に詰まる原因はちぃくんとわだかまりになってる、元カノのこととか他のことじゃなくて――私の語彙力の問題だ。  『ごめんなさい』  この言葉を私から取り上げただけで、驚くほど何の言葉も出なくなった。  どうしても。どうしても大嫌いと言ったことだけは謝りたくて口を開いたのに、それに対する謝罪すらも断られて、完全に私からごめんなさいの言葉は封鎖された。
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