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 大好きな彼女が初めて自分からキスをして、俺の名前を呼び捨てにしたのは二回目で、もう何度目か分からない大好きの言葉をくれた。  それだけで、俺は生きてきて良かったと思うくらい気分が高揚して堪らなかった。  両手をことちゃんの腰に回して、ぎゅっと引き寄せる。すぐに離れようとする唇を追いかけて、右手を後頭部に回して引き寄せた。  夢中になって口内を弄(まさぐ)ると、堪えきれずに漏れる甘い声。それに耳から刺激されて勢いが止まらず加速する。  「あ……っ」  小さく慌てた声が聞こえたけれどそれで止められるはずもなく、そのままベッドに押し倒して貪るようにキスを続ける。  何度も重ねなおして、その度に震えることちゃんが可愛くて無意識のうちに手が服の裾をまくり上げかけていた。  「待っ、て。ち、ぃく」   メガネを握りしめたまま、揺れる瞳で俺を見上げる彼女に堪らない、言葉に収めきれない気持ちが込み上げてくる。  「どした?」  自然と意地悪い笑みを浮かべている気がしたけれど、止められそうにない。  レンズを通さないクリアな状態で、間近に見ることちゃんがいつも以上に堪らなく可愛く見えるのは気のせいだろうか。  「あ、の……せめて、その」  「ん?」  そわそわして落ち着かないことちゃんが可愛くて、左の頬に唇を落とす。それにまた、ひゃぁ、って声をあげるからクスクス笑ってしまった。  ――琴莉、ダメだよ。反応すればするほど、全部可愛いんだから  愛しさってこれか、と思うほど俺の中に沸き起こる感情。どこまでも加速してしまいそうな自分の心が、少し怖い。
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