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 「何が?」  「だからさ。魅力、ないのかも。というか……ちぃくんに、飽きられたのかなって。ははは」  まるで元気のない乾ききった笑い声を出すと、真理亜がしかめっ面を浮かべたあと私を睨んできた。その視線が痛くて、私は首をすくめてからテーブルに視線を落とす。  「馬鹿」  「……」  「琴莉のばーっか」  「ば、バカバカ言わないでよ」   「だって馬鹿なんだもーん」  真理亜は私を馬鹿と言いながら立ち上がって、丸めた紙くずをゴミ箱に捨てた。ついでに私のまで摘んで、同じような塊をポイっと投げ捨てる。まるで、私の馬鹿なところを切り捨てるように……  「アンタさ。あんなにメロメロなちぃくんが、コトに飽きたなんて思うなら、可哀想だよむしろ」  「メロメロって、そんな……」  「いやいやいや。分かってないコトのが理解できない」  「う……ん。そ、かな?」  真理亜の指摘が恥ずかしくて、そわそわする指先をクルクルと髪先に巻きつけて解いていると、真理亜はそんな私を 見てため息をつく。  「最後に会ったの、お花見行った時に偶然会った電車でだったでしょ」  「うん」  「ちぃくん、コトが押されても痛くないように、壁際に押しやってガードしてくれてたよ?」  「え、そうだった?」  言われたことに記憶がなくて尋ねると、真理亜が信じられないって表情で目を見開いて私を見つめた。その目に耐えられなくて、私は今日何度目かの落ち着かない気持ちで、視線を逸らした。  しかし、それでもなお逃げ切れない視線を体中にビシバシ受けながら真理亜の続きの言葉を聞いた。  「それにさ、ちぃくん新しく入った生徒会メンバーのこと、殆ど理解してるし」  「嘘ー。そんなの、あんまり話してないよ?」   「だって、颯ちゃんのこと、どんな奴? って聞かれたし」  「颯ちゃんって工藤くんの、こと? いつ? なんで?」
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