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「復讐のために人間辞めたってのに、残念な結果だったな! はっはっは」
フィリップは天を仰いで大声で笑い出した。
私は、遠くなる意識を必死でつなぎとめ、残った力を振り絞り、フィリップの喉笛に噛み付く。
「ん? なんの真似だ? たとえ同族の牙だろうと、銀で作られた武器以外、この皮膚を破ることはできないと……」
「グルルル……グルァァ!!」
フィリップの言葉などお構いなしに、咆哮を上げて喉笛を噛みちぎった。
フィリップの喉から、鮮血が天井の高さまで吹き上がる。
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