復讐の果てに

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「あれは、確か……。そうだ、10番街の裏路地だったな」 その言葉に、ロケットを握る手にさらに力がこもる。 それをフィリップに気取られないように気をつけながら、私は腰の後ろあたりに差したナイフを手で確かめた。 「お前は、人間を食ったこと無いのか?」 「ん? あ、ああ。私がワーウルフになったときは、既にコミュニティがあったからな。ところで、君は何がきっかけでワーウルフになったんだ?」 私はフィリップに動揺を悟られないように、グラスのウィスキーを一気に飲み干した。 「きっかけ? んなもんあるかい。森で狼に襲われ、手足を噛まれて命からがら逃げてきたら、こんな姿になっちまったってわけだ。そういうお前は、何がきっかけなんだ?」 「私か? 私は……」 私は腰の後ろに隠してあったナイフを握り、構えた。 「復讐だよ」
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