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高校時代
俺が一人寂しく心配している一方、当の光希はというと。
「――この度はお騒がせしました……」
深々と頭を下げながらお土産のクッキーを渡していた。
「でも仲直り出来て良かった。もし別れる事になったら私、光希に頭が上がらない……」
「いやいやそんな事、長谷部さんが気になさらなくても大丈夫ですよ」
「俺達は永遠に別れませんから――ってか?」
いつの間にか光希の背後に亮介が息を潜めていた。
「亮介、無駄口叩いてないで食器洗ってきなさい」
一体誰のせいでこうなったのかという意味も込めてなのか、長谷部はきつく注意してキッチンへ行くよう促した。
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