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1.始業式の朝
窓の外からまだ涼しい風が部屋に入ってくる。
・・・朝?
まどかはゆっくりと体を起こすと窓の外を見た。
だが、外は真っ暗で月が闇夜に光っていた。
なぜこんな時間に目が覚めてしまったのだろうか。
まだ眠いな・・・。
瞼がだんだん下りてくる。
意識が遠のいて目の前が真っ白くなった、その時だった。
『ねぇ、ここはどこ?』
聞きなれない声が耳元で聞こえた。
夢?それとも現実?
駄目だ、眠気に勝てない。
『ねぇ、起きてよ。僕、迷っちゃったんだ』
迷っ・・・え?
私の部屋に迷う他人など聴いたことも無い。
やっぱり夢か。
『死んじゃってるのかなぁ』
そういって声の主は、私の胸に顔を置いた。
「ふぇっ!?」
私はびっくりして飛び起きた。
私は、森の中にいた。
何でこんなところに?
ここは・・・どこ?
『やっぱり生きてたんだね!』
目の前にいたのは真っ白な髪の美少年だった。
「き・・君・・・だっだだだだだれ?」
私は混乱しているようで声が震えている。
『僕?ルイだよ。僕歩いてたら森に迷っちゃったんだ』
「迷ったの?私は・・・なぜここにこれたんだろう・・・」
どうやってここに来たのか全く分からない。
私は、私は、私は・・・・・・・
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