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咲良はベッドに寝転がったまま、口を尖らせて言った。
「さ、触ったりとかしたら絶交するぞ」
「いいよ」
「......いいの?」
「拒絶された方が興奮する」
「死ね!」
もしかしたら今まで
そういう目で見られていたという......。
背中に洒落にならない寒気がした。
「ねえ咲良」
「......何だよっ」
「もしかして、誘ってる?」
「ななな何言ってんの!?」
「シャツ捲れてる」
「え!?」
無表情で指摘され、自分の体を見てみると、寝巻き代わりのシャツがへその上まで捲れ上がっていた。
おい、墓穴掘ってどうする。
咲良は慌ててシャツを下まで降ろした。
孝次郎はくすりと笑った。
一人だけ余裕な態度がムカつく。
「冗談だよ。俺、シャワー浴びるから先寝てていいよ」
「ううん、待ってる」
孝次郎は風呂が苦手なので、いつも入浴はシャワーで済ませていた。
待っても大体長くはかからない。
孝次郎はタンスから着替えを出しながら言った。
「あっそう。なんなら一緒に入ってくれてもいいけど」
「寝る」
今後この変態には、厳戒態勢でいたほうがよさそうだ。
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