3.㌣アンダーシティ・ボーイズ

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息が苦しくなって、咲良は布団の中から這い出た。 嫌だな。 今日は泣いてばっかりだ。 飲み込んだ涙が、苦い。 肌を刺す冷たい空気が、 なんだか切ない。 布団を抱き締めながら悶々としていると、コンコンと部屋のドアをノックする音が響いた。 孝次郎?な訳ないか、風呂に入ってるんだから。 誰だろう? 思いながらのろのろとベッドを降り、ノックが続くドアを開けた。 「遅い。三秒以内に飛んで来い」 「えっ、桃井先輩!?」 桃井はパーカーとスウェット姿で、青い袋を腕に抱えて立っていた。 咲良のパジャマと寝癖を見て、ふんと鼻を鳴らす。 「今は自習時間のはずだけど。もうおねんねするつもり?」 「え、あ、すみません......」 肩を狭めて謝ると、桃井はぷらぷらと手を振った。 「いや別に、うちの管轄外だから知ったこっちゃないけどさ」 「そうですか」 割といい加減な人らしい。 「おい、何か失礼なこと考えてない?」 「何でもない、です」 そんな咲良の思惑を察したのか、桃井は不機嫌そうに頬を膨らませる。
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