3.㌣アンダーシティ・ボーイズ

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なんで そんなこと 聞くんだろう。 でも何より そう聞かれたこと自体 とんでもなく嬉しかった。 「......やっぱりいい。ごめん」 桃井は後悔したように言った。 「そんな顔させたかった訳じゃないよ」 咲良は涙をこぼしていた。 頬から伝い落ちる雫が、 咲良の膝を色濃く染める。 「勝手なこと聞いてごめん」 「......違います」 咲良は涙も拭わずに、桃井を見つめた。 「嬉しかっただけです」 「は?」 「その、認めてくれる人がいて......っ」 「はっ?え、え、どういうこと?」 困惑して聞き返す桃井に、咲良はぽつりと言った。 「僕、祐......、会長の知り合いに見えましたか?」 「見えるも何も、話してたじゃん」 「よかった......。それだけで、嬉しいんです。オカシイですよね、でも嬉しい」 自嘲気味に笑う。 しかし自然にこぼれた笑みだった。 「......あいつにとって、 僕はいないも同然の人間ですから」 「っ、そんなことない!」 桃井は衝動的に、膝をついて咲良の肩を掴んでいた。 それに驚いた咲良は、目をぱちぱちと瞬かさせる。 桃井は眉を寄せて怒ったように言った。 「そんなこと言うなよ。会長は、ちゃんとあんたのこと考えてるよ。じゃなきゃ、後を追いかけたりなんてしない」 「追いかけた......?祐が?僕を?」 心底信じられないという顔をした咲良を見て、桃井ははっと色をなした。 「まさか、あの男______!」
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