3.㌣アンダーシティ・ボーイズ

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「んっ......!」 顔をくるりと振り向かされ、 キスされる。 柔らかい舌先が唇を割り、ふわりと浮いた歯の向こうになだれ込んだ。 可愛くないセカンド・キス。 それでも 甘く 甘く 甘いだけの深い口づけに 咲良は間もなく、溺れてしまった。 (息が、苦しい。) 上顎から舌の裏、喉の奥。 手の触れない受け身のキスは、 一体、どこまで行くのだろう? 始めに瞳が溶け、次に唇が溶ける。 足が砕け、孝次郎の体にしがみつく。 最後に溶けるのは、 見えないトコロの境界線? それともこの、 "心" だろうか_____? 閉じた目を薄く開けば、 交わる二人を食い入るように見つめる 桃井が見えたかもしれない。 伝染する欲情。 半分開いた桃井の唇もまた 自分の吐息で濡れていた。 開かれたドアの横 唇を重ねる二つの影に 体を重ねた一つの影。 月の下に照らし出された捕虜達。 犯されているのは、 一体、誰なんだろう_____?
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