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学校生活の水面下。
聖なるアンダーシティの
命がけのラブゲームにおいて
常に勝者であり続けること。
常に心奪う存在であり続けることこそが
支配者たる者の絶対的条件。
「いい鳴き声してるね、先輩」
「......う」
涙が溜まる目尻を舐められながら、桃井は呻き声を漏らした。
指先と唇の熱は瞬く間に全身に広がり
ちりちりとした火花が身体中を飛び交う。
キスだけで、こんな。
体の内側と外側の温度差で、
今にも引き裂かれてしまいそうだ。
「あんた、許さないから」
ゆらりと離れていく孝次郎に、桃井は震える声で言った。
孝次郎は身を屈めて桃井の頬を撫でると、まるで何事も無かったかのように、手を差し伸べた。
「立てますか?」
「っ、いらない」
桃井は乱暴にその手を払うと、冷たい床に手をついた。
孝次郎は宙に浮かんだ手を引き寄せながら、呆れたようにため息を吐く。
「ねえ、本当に大丈夫?」
「う、うるさいな......っ」
桃井は涙混じりに呟いた。
何で言うこときかないの、この体。
そのくせして、
何で媚びてるみたいにあいつのこと、
見上げてんの_____?
「それにしても、難儀な話だね」
孝次郎は咲良が寝ているベッドの隅に腰を下ろし、膝の上に頬杖をついた。
「伊織が相手じゃ、
伝わるものも伝わらないでしょう?」
心なしか愛おしげに
焦れったそうな苦笑を投げ掛けて。
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