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燃えるような夕焼けに、銀河入り交じる逢魔ヶ時。
西の空には一番星、二番星が
寄り添うように輝いていた。
いつか離れ離れになる前の僕らのように___。
あの日 藍と茜の狭間に、
僕と祐は手を繋いで立っていた。
お互いの首には一繋ぎの赤いマフラー。
僕は右 祐は左の手袋を外して
僕は祐 祐は僕の体温を確かめていた。
学校帰り、すっかり習慣になっていた天体観測。
望遠鏡は必要なかった。
本当に見たい星は、
僕のすぐ隣で この傍で 微笑んでいたから。
ねえ、君は今、
僕じゃない誰を見ているの___?
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