4.僕と 貴方と 宇宙旅行

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今まで知らなかった、恋の裏表。 『好き』って言われて 困ってしまう自分がいる。 でも 痺れるような体の熱さに 戸惑ってしまう自分もいる。 ......だから、どうしていいのか分からない。 僕には、 ずっと好きだった人がいるのに___。 「......それで?」 「へ?」 「咲良、本当にあいつと、付き合うの?」 突然、頭の上から降ってきた冷淡な声に 咲良はぱっと顔を上げた。 すると。 「ちょっ、ま、待って飛鳥。 その............、近くない?」 ジト目をした飛鳥の顔が、至近距離に迫っていた。 不意に唇がその鼻先に触れてしまい、咲良は慌てて身を引いた。 「近い?」 飛鳥は再び距離を詰めると、こつん、と額を合わせて囁いた。 「じゃあ、咲良が答えるまで離れてやらない。」 「......は?」 急に何だ、こいつは。 音楽の聴きすぎで頭がおかしくなったのか? 仕方なく後頭部を掴んで引き剥がすと、飛鳥は大真面目な顔をして言った。 「言っとくけど俺、浮気は許さない主義だから」 「......待て。やっぱり頭、大丈夫か?」 「咲良、お前にはもう、会長様という立派な想い人がいるじゃないか!」 「そうだけど......って、何で知ってんだよ!」 「イイ男に目移りするのは分かるけど、俺は伊織さんの味方だもん。お前を正しい方向へ導く義務がある」 「そんなことどうでもいいんだよ!何でお前が僕の、すっ、好きな人を知ってんだ」 「それはほら、この俺様の素晴らしい超能力で......。って、痛い痛い、目は!目はやめて!」 「吐かないと、次は左目をヤるぞ」 「あっはははは、ごめん、............モロバレ。」 . . . . . . . . . . . . 。 「死ね」 「あははは、やべえ笑い止まらねえ.....って、」 ぶす。 「モロバレとか、嘘だろ............。」 茫然とした咲良の呟きと授業開始のチャイムは、自称超能力者の悲鳴ですっかり掻き消されてしまった。
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