4.僕と 貴方と 宇宙旅行

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僕は。 浮気なんかしたくない。 もっと君に心奪われていたい。 もっと君に近付いていたい。 君の心とシンクロしていたい。 我儘だって、分かってる。 でも僕ら、あの星を見てた。 僕の心は雲なんかじゃないって 青く広大な空をたゆたっていても ずっと君に寄り添って離れない あの白い星でいたいって思うから。 いつかあの藍と茜の狭間を 君と二人でくぐりたいって願うから。 もう一度、僕を見て。 お願いだから、 僕を他の誰かに奪わせないで___。 あの大怪盗は手強くって魅力的すぎて。 雲に溶けかけた僕の心は 簡単に絡め取られて しまいそうになるの。 君の代わりなんて誰も居やしないのに あいつはきっと 僕から何もかも 奪い去っていってしまう そんな気がしてならないの。 終わりない宇宙の独り旅 早く迎えに来てよ、僕の王子様。 ......君がいい。 幾千幾万の夜を越えたって 何度流れ星が流れ落ちたって 僕はそう願うことしか 出来ないから___。 「祐の、馬鹿野郎。」 目が熱くなって 視界が滲んだ。 口の端から 情けない声が漏れた。 それでもぎゅっと瞼を閉じながら 必死に伸ばし続けたその手を 誰かが掴んだ。 「何、この手。」 格好つかない正義の味方。 おまけにスペースナビゲーター。 「......篠田、先輩」 色とりどりの花束を抱えた篠田伊織が 数えきれない宇宙銀河を背に立っていた。
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