4.僕と 貴方と 宇宙旅行

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どこかで、確かに、見たことがある。 それも、昔の話じゃなくって。 昨日も今日も、一昨日も会った人。 「また難しい顔してる」 篠田は咲良の眉間に出来た皺を伸ばすように、ぐりぐりと人指し指を押し付けた。 ふわりと口元を綻ばせる。 「あ。黒瀬くんのこと、考えてたんでしょ?」 「へっ、そんなこと......!」 「図星だ」 本当に違うのに......! 咲良は口も聞けないまま黙るしかなかった。 「そっか......。」 篠田はベンチに座り直して右足を抱えると 膝に乗せた花束に口元を埋めた。 「似てる___。」 「......え?」 宇宙をさ迷うような無重力の呟き。 誰に? 思わず聞き返そうと口を開きかけると 長い指が咲良の言葉を押し止めた。 「君、黒瀬くんに、そっくり」 寂しげに微笑む美しい先輩に 咲良の喉が、こくりと鳴った。
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