4.僕と 貴方と 宇宙旅行

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「黒瀬くんもよく見てた。夕暮れの空を、ここで」 咲良は自然と、篠田の視線の先を辿っていた。 何千と咲き誇り、風に揺れる極彩色の花々。 甘い香りで風を染めては 自らも寄り添って旅立っていく。 あの、宇宙銀河に身を踊らせて。 「きっと黒瀬くんは 君の為に生徒会長になったんだね。」 スペースナビゲーターは語る。 咲良の知らない もう一つの星の旅路を___。 「黒瀬くんは、君を待ってたんだ」 咲良は、篠田の横顔に視線を戻した。 口元は、やはり花束に隠れて見えない。 それでも、空を向いた睫毛が微かに震えるのを、過ぎていく夜風のせいだとは思えなかった。 「先輩、もしかして___。」 気付いてしまった。 甘い花の香りを嗅ぎながら その視線の先に映っているのは___。 「祐のこと、好き?」 「......うん」 動揺の波が、咲良の全身を飲み込んだ。
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