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この世には五つの人種があった。
ひとつは魔人。
魔を有し、魔を行使する人々。後に他の人種も魔法を使えることが判明したが、一番最初に魔法を発見し発展させてきたため、今でも魔人と呼ばれている。世界中で最も多く、五割は魔人である。実質、世界の実権を握っている。
ひとつは小人。
成人の平均身長でも1mに満たないくらいの身体の小さな人種。手先が器用で、職人気質のものが多い。山岳地帯に住み、小人の国の多くは内陸の山岳地帯に建国されている。世界人口の約二割を占める。
ひとつは巨人。
小人とは正反対に身体の大きな人種。もうひとつの特徴として、身体を巨大化することができる。成人男性の平均身長は190cmだが、巨大化すると7~8mになる。小人と同様に山岳地帯を好んだため、長年覇権を巡って争ってきた。世界人口の一割は巨人である。
ひとつは精人。
精人、またの名をエルフ。耳が長く、総じて眉目秀麗な顔立ちをしている。元は森の中に住んでいた。他人種との接触を好まず独自の文化を築いてきたが、龍人に懐柔されて他人種との交流を始めた。巨人と同様に一割の人口を占める。
最後のひとつは龍人。
世界初の書物、創世記に出てくる双龍の子孫であると言われる人種。他の種族を圧倒する力を有し、世界を導いてきた。しかし10年前の戦争を機に龍人の権威は失墜し、魔人にとって変わられた。人口も激減し、元は世界人口の三割であったが今は一割に満たない。
その他にはハーフやクオーターがいるが、数はあまり多くない。
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