第1話

二人きりで孤島

「可愛い」
「もののけ！？　抱きしめないでい、いろんなのがあああああたったてるよ」
「緑」
「は、はい」
「私と結婚してください」
「へ、あい、いや女の子同士は結婚は日本の法律上ん゛んんん」
「ふぁーすとキスもらいました」
「はう」
「もう一度いいますよ、結婚してください」
「き気持ちは嬉しいけど、おおおんなの子だよ、む、無理だって」
「妖怪と人間が結婚してもいいのかというのを考えていないあたりがやっぱり緑さんですね」
「はうわ」
「私では駄目ですか？」
「………………」
「嫌いですか？　妖怪だから駄目ですか？　はしたないから駄目ですか？」
「さ、最後のはちょっと」
「早くしてください！　男でしょ！」
「男じゃないよ！　分かりました。その…………」
「その？」
「こ、こちらこそおおお、お願いしま……す…………」
「聞こえないです」
「こ、こちらこそお願いします！」
「緑！」
「んんっ」
「好きです、緑これからもよろしくね」
「こ、こちらこそ改めてよろしくねもののけでもいきなりキスはやめてほしいのですが」
「無理」
「即答！？」
「緑が可愛いのがいけないのですええ、いけないのです」
「へ、変態だっ！」
「ふふふふ」
「笑うとこじゃないよね！？」
　妖怪と人間の種族と性別を超えた愛がそこにはあった。