6.恋の迷路

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「着いたぁ!! でもなんか、飛行機に乗ってたの、あっという間だったねぇー」 初めての韓国旅行だから楽しまなきゃ! 私は自分にそう言い聞かせて、朝見た夢の事を忘れようとした。 韓国の空港に到着した後、ロビーで現地のツアーガイドが旗を持って出迎えてくれた。 私たちツアーの一行は、出迎えてくれたガイドと共に、市内観光の為にスタンバイされていたバスに乗り込んだ。 車窓から見える初めての景色に、私は自然と胸が弾むような気持ちになった。 そして、ヘソンに想いを馳せた‥。 (会えなくても、今は同じ空の下にいる。 同じ国にいるんだね。 今頃何してるのかなぁ‥) 初めて見る韓国の街並みに刺激されて、隣に座っていた香織もいつも以上にはしゃいでいた。 私たちは市内観光を終えた後、宿泊するホテルに案内された。 そこは、ソウル市内の中心にある、近代的でエレガントな雰囲気を持つ大きなホテルだった。 「うわぁー!でっかいホテル!なんかちょっと贅沢な感じだね!」 香織は、大きな目をさらに丸くして驚いていた。 ツアーの旅費代を少し割増して、ワンランク上のホテルを選んで正解だったかもしれない。 やっぱり、慣れない旅先での疲れを癒やすには、泊まるホテルにかぎるからね。 一目でそのホテルが気に入った私たち。 その後、高層階の夜景の見える部屋に通された私たちは、さらに驚いた。 部屋の窓側は、上から下までガラス張りで、カーテンが開いていた為、部屋に入った途端、ソウルの夜景が私たちの目に飛び込んできた。 「ちょっと咲、この眺めすごくない?!」 「うわっ、ほんとだぁ!すごい! ありえない!!」
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