2人が本棚に入れています
本棚に追加
バスを降りた後のスケジュールは夕方まで自由行動になっていた。
私たちは最初に明洞の百貨店を見ることにした。
香織は、他にもっと行きたいところがあったようだけど、私の最初の買い物に心良く付き合ってくれた。
「咲ー、ごめん。ちょっとトイレ行ってくる。
なんか、朝からコーヒー飲みすぎちゃって‥」
そう言って、香織は急ぎ足で私から離れていった。
(よっぽど我慢してたのかな?それより、一人で大丈夫かな?)
香織は極度の方向音痴だと言う不安が、一瞬頭をよぎったけれど、かわいい雑貨を発見して、私はすぐに買い物に夢中になってしまった。
あれから、どれくらいの時間が過ぎただろうか?
香織が戻ってくる気配はなかった。
いよいよ心配になった私は、トイレを探して行ってみたけど、同じフロアのトイレには、何やら立て看板が置いてあって、中に入れなかったんだ。
(これって、掃除中とかの意味なのかな?)
私は仕方なく香織に電話を掛けてみようと、鞄から携帯電話を取り出そうとした。
最初のコメントを投稿しよう!