6.恋の迷路

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バスを降りた後のスケジュールは夕方まで自由行動になっていた。 私たちは最初に明洞の百貨店を見ることにした。 香織は、他にもっと行きたいところがあったようだけど、私の最初の買い物に心良く付き合ってくれた。 「咲ー、ごめん。ちょっとトイレ行ってくる。 なんか、朝からコーヒー飲みすぎちゃって‥」 そう言って、香織は急ぎ足で私から離れていった。 (よっぽど我慢してたのかな?それより、一人で大丈夫かな?) 香織は極度の方向音痴だと言う不安が、一瞬頭をよぎったけれど、かわいい雑貨を発見して、私はすぐに買い物に夢中になってしまった。 あれから、どれくらいの時間が過ぎただろうか? 香織が戻ってくる気配はなかった。 いよいよ心配になった私は、トイレを探して行ってみたけど、同じフロアのトイレには、何やら立て看板が置いてあって、中に入れなかったんだ。 (これって、掃除中とかの意味なのかな?) 私は仕方なく香織に電話を掛けてみようと、鞄から携帯電話を取り出そうとした。
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