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「ねぇ、やっぱり何かあったでしょ?!疲れてるって感じじゃないよ。
まぁ、話したくなかったらいいけど、いつでも聞くからね!」
香織は心配そうに、私の顔を覗き込んで言った。
「うん、ありがと」
たいしたことじゃないのに、なんだかやっぱり、昨日のことはうまく話せない。
もう会うこともない人だし…。
それより、あの傘手放したのは痛かったかなぁ(笑)
「あ、そうだ!きのうの飲み会でね、営業部の後輩にライブのチケットもらったの!
今週の土曜なんだけど、ミユ、一緒に行かない?」
香織は、ロッカーのドアを勢いよく閉めながら、思い出したように言った。
「ごめん、ライブとかあんま興味ないし、私はパス。後輩の子たちと行ってきたら?」
「だよねぇ、ミユは絶対行かないだろうなって思ったんだけど‥
それが、後輩が行けなくなったからチケットもらったの。
だから、ねっ♪付き合いだと思ってさ、お願い!
一緒に行って!」
二重瞼をパチパチさせながら、子犬のような顔で頼み込む香織。
「え~困ったなぁ。
私ライブとかほんと行ったことないし、歌もよく知らないし。
で、ちなみに、そのチケットって誰のライブなの?」
「まぁ、ミユは間違いなく知らないだろうけど(笑)
《Another Sky》っていう韓国の5人組グループなの!
でね、うち1人だけ日本人が混ざっててさ‥
それが、私の幼なじみで。
中学まで一緒だった白石健二(シロイシ ケンジ)って奴なんだ!
だから、私的には一度、ライブ見てみたいなぁって思っててさ」
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