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「あの、すみません。
風邪、引きますよ?
これ…よかったら使って下さい」
私は、差していたお気に入りの黒い傘を彼の前に突き出して言った。
幸いにも、雨女の私は、鞄の中にいつも折り畳み傘を忍ばせていたから、雨に濡れる心配もなかったしね。
切れ長の一重に、高い鼻。
すっきりとした顔立ち。
でも、よく見れば顔色は真っ青。
「大丈夫、ですか‥」
驚いて私がそう言うと、彼は初めてこっちに気づいた様子で、喉を押し開くようにして言ったんだ。
「£¢#*※☆……」
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