3.片思い

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女性スタッフたちは、香織の必死の頼みを渋々取り次いでくれた。 「これから移動するので、あまり時間ないから、手短にお願いしますね」 そう言いながら、メンバーたちがいる楽屋の白い扉を開けて、中に入るように私たちの背中を強く押した。 何の心の準備もないまま、私たちは突然ひとつの部屋に放り込まれた。 シャワーを浴びたメンバーたちがタオルを片手に賑やかに談笑する楽屋に。 「う‥わぁ‥」 香織が小さく言葉を漏らした。 私たちの目に飛び込んできた初めて見る光景。 ドライヤーをかけるメンバーや、お弁当を頬張るメンバー。 携帯で誰かと話しているメンバーもいる。 そんな綺麗な男の子たちが行き交う楽屋に、突然現れた私たち。 否が応でも注目を浴びる。 彼らは、一斉にこっちを見た。
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