3.片思い

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男臭さとは無縁の美形集団。 部屋にいた《Another Sky》のメンバーがこっちを見つめる。 私は緊張して、すぐに辺りに視線を移した。 部屋には、ファンからの贈り物が所狭しと置かれている。 「うぉ、香織!! マジで!?来てくれたんだ♪」 第一声を上げながら歩み寄ってきたのは、焦げ茶色のサラサラヘアに、綺麗な二重まぶたの男の子だった。 清潔感のあるとても爽やかな印象だ。 むせかえるような花の香りに混ざって、柑橘系の匂いがする。 「健ちゃ~ん!誰誰?? チング?あ、もし、かして、ヨジャチング?!」 可愛らしい笑顔を向けながら駆け寄ってきたのは、茶色の髪に軽くパーマがかった、優しい雰囲気の男の子だった。 うっ、こっちからは甘い香りがする。 私は、一瞬だけクラッと、めまいを覚えた。 客席よりずっと近い距離で感じられる彼らのオーラは、気絶しそうになるほど、私たちを圧倒していた。 「健ちゃん‥ライブ見たよ。すごくかっこよくて、びっくりしちゃった! 遊びに来いって言うからほんとに来たけど、ごめんね、忙しいんだよね?」 さっきまで興奮していた香織も、明らかに部屋の雰囲気に押されて、控えめな様子で話す。 「いや、まだ時間あるから大丈夫だよ。 で、香織‥あの、紹介してよ!」 香織の同級生の白石くんが、私をまじまじと見つめて言った。 うっ、どうしよ。恥ずかしい。 かつて私の人生に、こんなに綺麗な男の子に見つめられたことなんてあっただろうか。いや、間違いなく、ない(笑) 「あ、ごめん。 こちらは、同じ会社の友達で、上野美雪さん。 で、こっちは、中学からの同級生で白石健二くん!前にミユにも話したよね?」 「うん。あ、初めまして、上野美雪です。今日のステージお疲れ様でした。すごく素敵でした」
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