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男臭さとは無縁の美形集団。
部屋にいた《Another Sky》のメンバーがこっちを見つめる。
私は緊張して、すぐに辺りに視線を移した。
部屋には、ファンからの贈り物が所狭しと置かれている。
「うぉ、香織!!
マジで!?来てくれたんだ♪」
第一声を上げながら歩み寄ってきたのは、焦げ茶色のサラサラヘアに、綺麗な二重まぶたの男の子だった。
清潔感のあるとても爽やかな印象だ。
むせかえるような花の香りに混ざって、柑橘系の匂いがする。
「健ちゃ~ん!誰誰??
チング?あ、もし、かして、ヨジャチング?!」
可愛らしい笑顔を向けながら駆け寄ってきたのは、茶色の髪に軽くパーマがかった、優しい雰囲気の男の子だった。
うっ、こっちからは甘い香りがする。
私は、一瞬だけクラッと、めまいを覚えた。
客席よりずっと近い距離で感じられる彼らのオーラは、気絶しそうになるほど、私たちを圧倒していた。
「健ちゃん‥ライブ見たよ。すごくかっこよくて、びっくりしちゃった!
遊びに来いって言うからほんとに来たけど、ごめんね、忙しいんだよね?」
さっきまで興奮していた香織も、明らかに部屋の雰囲気に押されて、控えめな様子で話す。
「いや、まだ時間あるから大丈夫だよ。
で、香織‥あの、紹介してよ!」
香織の同級生の白石くんが、私をまじまじと見つめて言った。
うっ、どうしよ。恥ずかしい。
かつて私の人生に、こんなに綺麗な男の子に見つめられたことなんてあっただろうか。いや、間違いなく、ない(笑)
「あ、ごめん。
こちらは、同じ会社の友達で、上野美雪さん。
で、こっちは、中学からの同級生で白石健二くん!前にミユにも話したよね?」
「うん。あ、初めまして、上野美雪です。今日のステージお疲れ様でした。すごく素敵でした」
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