意地

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あまりのショックに、声を失って バスルームを出て、ベッドにうなだれる 男の子だもん。 て、拗ねて横になったが最後、 さすがに連日の疲れと睡眠不足と 成田が傍にいる安心感からか。 数秒で昇天、てか、爆睡。 全く、記憶が途切れた。 ――――― 成田の声がしたような気がした 身体が自然に反応して 起きた 「……あれ」 目の前には、石鹸の香りをただよわせて のぞきこむようにベッド脇にいる、 美紗緒の、ちっこい、顔 あー。 好きだわ、そのカオ まるっこくて、柔らかくて 食いたい。 「お風呂出ちゃいました」 朦朧として、煩悩むき出し 「あ、俺寝てた?」 「寝言いってましたよ?」 寝言? 「は?なんて」 「今日の試合、って」 「嘘つけ」 なんだそのアタマがカスカスみたいな寝言 言うかよ、俺が
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