意地

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スタッフたちに挨拶を済ませて、会場をあとにした その間、 意識しすぎて、出野さんのほうが、全く見れなかった そのまま福岡空港に二人で向かうも。 ――イラつきすぎて、無言。 空港には意外と時間ギリギリで到着 ま、国内線だから別にいいんだけど。 飛行機に乗り込んで、ふと成田を見たら。 一番に、視界に飛び込む はだけた、胸。 「それ」 「へ?」 「名古屋ついたら、高島屋で買え」 男ですから。 見ますよ、目の前にありゃ。 しかも、無駄に座ってっから、背もたれにヨレて 洋服がひきつれて、もう あらわになりすぎ、お前 「……」 ゆっくり俺の視線をたどる、成田。 「――もう」 そう言って、ブランケットを引き上げた。 いやいやいや、もう、じゃねーし。 もう、は、俺が言いたいくらいだ、ボケ。 「見せる必要ねーだろ」 「見せようなんて思ったりしてません」 う、そ、つ、け。 それにしちゃあ、見えまくりだろ。
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