意地

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俺様が不安になんか。 なるわけがない、といいたいのは建て前 本音は、ここまでエラソウにしておいて、 俺がヘコヘコするわけにはいかないだろ。ん? 素直に言えてりゃ、最初からこんな事にはなって ないんだけど。 毎回、毎回。 美紗緒の忠誠心を確かめないと、落ち着かない。 何でだ 俺の脇の間でモソモソと動く美紗緒に 思いきって 「お前さ」 聞いてみよう、と力んだら、思った以上に大きな声が、でた。 「はいっ」 それにつられたのか、やけに威勢のいい返事がかえってきて 「お前、って」 「何ですか?」 勢い、ついた、――かと思ったのに 「――や、今まで、……何やってたの?」 あれ、 間違えた。 『お前、男は?』 って、いや。 そんなん知る必要――ない、よな うん
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