意地

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――つ つき…… 「あー、みず」 「はい?」 「なんか、とって。飲むもの」 「ああ、はい」 うおお。 言えねえ。 唇が、そんな形に 慣れてない。 つか、言った事ねーからな。 俺の考えになんて全く気がつくはずのない美紗緒が、身体をおこしてサイドテーブルからミネラルウォーターを手にする 「ぬるいから、何か買ってきましょうか?」 あああ。 そんな気遣いで女ポイント高いトコ見せて、お前 「ん、いい」 これ以上、俺を虜にしてどーする気 「いってきます――わふっ!」 ベッドから抜け出そうとする成田をとっつかまえて、また抱きしめる 腕の中に美紗緒をとじこめる 「な、なっ」 「ちょっとまって」 唇がちょうど額にあたって、そのまんまらしくなく唇を押し当てる 恐ろしいほど、らしくない俺 恋は盲目、というやつでか。 よくわかんねーな。 どうしたもんか、って軽く思案する 「美紗緒」 「はぁい」 名前――だけ、読んでみた。 「……」 が、すぐに理性が解除されて 「――も、朝から――!」 ふれた肌が気持ちよくて、美紗緒の、柔らかな感触がが。 全部、欲しい
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