意地

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ホンと、イラつく。 そーゆーので平気なお前がとっても不思議だ。俺は 成田はムスッとして、俯くと、ブランケットでまた身体を覆い隠す。 俺には見せろよ おかしいだろ、全体的に。 「ねむい……」 上目使いでボソッと呟いて 「寝れば」 「イチさんは……?」 「眠きゃ寝んだろ」 「……」 腹立たしくて。 受け答えが……我ながらどうにもならんのが、 ……。 眠い、確かに。 そんなような気もしなくはなくて、 「――お」 スー、っと。 寝息は聞こえては来ないけど、そんな感じ。 伏せた睫毛が、長い。って 寝てる成田をしばらく見てたら。 なんとも言いがたい気分になった。 ほんと、成田、だ。 って、今更なんだけど。 遠回りしすぎて、不思議な感覚 ずっといるのに いない感じ。 でも、消えない、存在
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