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それから、中島を私が案内することになった。
普通こういうことって使用人がやることじゃない?
まぁ、仲良くなっとくに越したことはないから別にいいのだけれど。
取り敢えず、食堂でも案内しよう。
顔に子供らしい笑顔を浮かべ、食堂に行きましょうかと促す。
もちろん演技だけれど。
すると中島は、そうですね、可憐様と相槌を打った。
なんで私の名前を知っているのかと思ったが、お父様が教えたんだと思い、大して気に留めなかった。
食堂の次は中庭。
その次は中島の部屋、というように屋敷を見て回る。
そして最後に私の部屋を案内する。
「ここが私の部屋です。用があるときはノックして、私の返事の後に入ってください」
ある程度説明すると、ニコッと微笑み、質問はありますか?と尋ねる。
中島に何か分からないことがあったら私の責任になる。
面倒なのは嫌。
中島は首を軽く横に振ると、大丈夫ですと言った。
そのとき、私の身体の底から悪戯心が溢れてきた。
…何かしてやろう。
そう思い、実行に移す。
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