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沙「会長、なんでそんなに親にビクビクしてんの?そんなにこのハゲたおっさんが怖い?」
真「お前…。」
沙「今こっちが話してんの!会長、ちゃんと本気で自分の夢について話した?」
駿「……。」
沙「話してくれなきゃわからないよ。」
しばらくの沈黙の後、
会長は何かを決意したように顔をあげた。
駿「父さん、僕は本気で教師になりたい。この会社だって姉さんの方が跡取りに向いてる。姉さんはこの会社が大好きだから。」
真「何度も言っているだろう。あいつは女だからダメだ。跡取りは男と決まってるんだ。」
沙「あんた、最低の父親だ。親って言うのは子どもの夢を支える大事な存在なのに……。夢を押しつけるなんて最低。」
子どもが夢を叶えるまで応援し、支えてくれる存在なんて親しかできないのに……。
真「では、沙弥さんの親は夢を絶対に強要しないのですか?」
駿「父さん!沙弥ちゃんの両親は関係ないだろう!」
沙「いいよ、会長。私の親は、夢を押しつけるなんてせずに、『生きたいように生きろ』と言ってくれた。確かにちょっと野放しにしすぎてたかもしれないけど。」
真「フッ。子どもが子どもなら親も親だな。ダメな親からはダメな子が産まれる。」
私の中で何かが切れた音がした。
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