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扉の前で立つ金髪の少女はひどくご立腹なのか腰に手を当てていて額をひくつかせている。
「やる気満々だな。」
俺がそう言うと彼女はギャングも裸足で逃げ出しそうな目付きで睨んできた。
「当然よ!私に敗北は許されないわ!!」
少女の名はヒリア・アイ・ヴァイス。
大貴族ヴァイス家の末子。頭脳明晰、そして誰もが見とれる美貌なのだが、高飛車な性格がたまにどころじゃないくらい傷。
「敗北って言うかただ単に仕返しがしたいだけだろ?」
賢人がくいっとアイマスクを上げて言った。っつか起きてたのか。
「アイツ、絶対息の根を止めてやるわ…!!」
血塗られたものになるのだけは止めてほしい。これからやることの意味をヒリアは理解できてるのか不安だ。
「そんなに根に持つことなんだな。」
俺が再び寝ている賢人にチョップをかましながら言うと、震える声の意見が飛んできた。
「白神君、あれは誰でも怒るよ?」
「そうゆうもんか?たしかにちょっと驚いたけど…」
俺は小首を傾げ、ヒリアを見た。
肩をわなわなと震わせ、右拳を胸の前で硬く握っている。今にも暴れだしそうだ。
なぜヒリアがこんなにも怒っているのか。それは、今日の朝まで遡る。
説明必要か?
ってくらいどうでもいいかもしれないけど。
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