日曜日の太陽

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少し前まで、俺ん家には [アキ]っていう居候がいた 高校時代の友達でさ、三年間も音沙汰無しだったくせに、ある日いきなり俺のアパートに転がりこんできやがったんだ。 勝手なヤツだろ? けどまあ、家事全般をアキが担当するって条件で一緒に住まわせてやった。 アキは高校の頃から料理人目指してただけあって、アイツの作る飯はすげーウマかったんだ。 ただなんつーか、アイツ 味に煩いというか料理に拘りがありすぎるというか… 『○○スーパーの肉は不味いから買ってくんな』 だの 『オレの作った飯に勝手に塩足してんじゃねー!』 だの… 挙げ句の果てに、俺がちょっとカップ麺やコンビニで買ってきたつまみを食ってるとメチャクチャ怒ってさ 『うわ、お前何そんなマズいモン食ってんだよ! そんなん食ってたら舌がバカになるぞ? ……もうお前はオレが作ったモンだけ食ってろ!!』 とにかくアイツは すげーうるさいヤツだったんだよ そう……すっげーうるさいヤツだったんだ。 『リュウ、お前その辺に服脱ぎっぱにしてんじゃねーよ!』 几帳面なアキは、料理だけじゃなく生活全般に対してもそんな感じだった まあ、お陰で部屋もだいぶ綺麗になってたけどな 対する俺は、料理も出来ないし、部屋も散らかしっぱなし。でも、ふつう男ってそんなモンだろ? 「…アキ、お前絶対カノジョ居ないだろ? 料理得意で綺麗好きで口うるさい男とか、ゼッタイ女にウザがられるって」 『…うるせーな カノジョ云々でテメーに言われる筋合いねーよ!』 そんな調子だったから アキが作った飯は文句言わず残さず食べる、という暗黙のルールがいつの間にか出来上がっていた。文句言うとアイツうっせーからな 『リュウ、お前なんか食いたいモンある?』 だけど、たまに俺のリクエストを聞いてくれる時もあってさ。 そんな時、俺は決まってこう答えていた。 「んじゃあ… 俺オムライス食いたい!!」
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