きみはひとりじゃないよ

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「そう。二度目の夏よ。いつまでここに居座るつもり?」  僕の顔を覗きこみ、リエルが聞いてきた。いつのまにか戻ってきたらしい。抱きついてこなかった。僕の前で仁王立ちしている。 「くそ、うるせぇ。僕の気持ちを知りもしないくせに」  僕は歯ぎしりし、そっぽを向いた。  リエルと出会えることはうれしかった。本当だ。けれど、ことこの話題のときだけはうれしくなかった。 「でも、ずっといるわけにはいかない。このままだと、きみはじょじょに悪霊化していくわ。そうならないうちに、わたしと一緒に行きましょう。お願い、わかって」  まただ。またリエルの勧誘がはじまった。これでいったい何度目だろう。いい加減うんざりする。リエルの仕事で目的でも、だ。  僕はわがままな子供よろしくイヤイヤとかぶりを振りつづけた。 「子供みたいなことしないで!」  そんな態度にイラついたのか、リエルの口から怒声が漏れた。 「僕は十六なんだ。まだ未成年で子供だ!」 「十六にもなれば、もう大人同然よ。ねえ、どうしてそう頑なに誘いを断るの? きみは、死んだことを受け入れているのに」
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