日々

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教室に戻ると。 また向けられる視線。 椅子に座れば。 ーー・・・まーた地味なことを。 「カリアー、またやられてんじゃん」 「いっくんは?」 「次当たるんだってー」 プクっと頬を膨らませる。 スッゴい可愛い。 「ほら出してだして」 ガサガサと机をあさって入れられた紙くずを両手いっぱいに抱え込む。 「どいてどいて」 「あ、しほちゃん!俺捨てるよ!」 わらわらと男たちが寄ってくる。 しほはスッゴク可愛いから。 それはもう某アイドルグループのセンターはれるくらい。 しほはにっこりと笑って。 「ありがとう ーー・・・だったら入れてた子達にもちろんなんか言ってくれたでしょ?」 「え?っと、」 「言ってないの? だったらかっこつけないでくれる?」 笑顔でバッサリと斬るしほはすごい。 でもすごく可愛らしい見た目してるから。 私みたいに悪口言われたりしないし。 まだ残っていた紙を広げれば。 『さっさとやめろ。淫乱』 「あ、こらカリアー!読んじゃダメっていつも言ってるでしょ?」 「あはは、ごめんごめん」 グシャグシャに握りつぶして。 ゴミ箱向けて投げる。 「いて」 「あ、ごめん」 「大丈夫ですよ」 頭に当たって床に落ちたごみを。 わざわざ拾って捨ててくれる。 あー、またきっとなんか言われるな。
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