主人公、死す!

25/33
前へ
/267ページ
次へ
「お亡くなりになりましたって死んだってこと?」 「ええ、そうです」 「寺尾裕司って俺のこと?」 「はい、そうです」 「ふ~ん、俺死んだんだ……ってええええ!?」 嘘ぉぉぉ!? 「俺死んだの!?」 「はい、そうです」 「もう!何回言わせるんですか!?貴方は死んだんです!わかりますか!?死・ん・だ・ん・で・す!!」 「そこまで強調せんでもわかるわ!」 なんてこった。 まさか死んでしまうとは。 それにしても……なんで? 「なんで俺死んだんすか?」 何の前触れも無くコテンと死ぬ訳がない。 死ぬにはそれなりの理由があるはずだ。 でも、それがまったくわからない。 というか、どうも思い出せない。 「……死んだ時の事が思い出せないってところですか?」 「は、はい。そうです」 「図星でしたか。ま、それもしょうがないですね」 しょうがない? それってどういうこと? 「口でお伝えしてもいいですが、自分で鏡で見た方が早いでしょう」 「はい!鏡をどーぞ!」 女の子が胸の谷間から手鏡を取り出した。 っていやいや、どこから出してんすか。 第一谷間できるほど胸ないだろ。 「むぅ~、変な事考えてないでさっさと見たらどうなんですか!」 バレてるし。 ま、とりあえず見てみよう。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

418人が本棚に入れています
本棚に追加