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「……すいません、これは一体どういうことなんすか?」
鏡の中の自分の顔を見た途端、俺はまさしく絶句した。
「さっきから質問しかしてませんね」
「いやいや!そりゃ質問したくもなるでしょ!」
鏡の中の自分には目から上が無いんだから!
「まあ無理もないですね。自分の目から上、つまり脳が無いってことですから」
「さ、サラッと言ってくれますね……」
「脳の働きがちょっとブロックされてるだけですしね。こうして談話している分には支障はありません。それに、もうちょっとしたら帰ってきます。新しい脳として」
「あ、新しい脳?」
何?元気100倍にでもなって帰ってくるのか?
「あと、他に内臓もところどころお借りしています」
「ところどころ!?」
なんでそんなにアバウトなの!?
っていうかそんなことして何をしようとしてるんだ?
「理由はじきにわかりますよ。それにしてもあの娘、なかなか帰ってきませんねぇ……」
あ、ホントだ。
言われてみれば、あのうるさかった幼女がいない。
なんか会話がスムーズにいくと思ったんだよ。
「それにしても、あの娘はどこにいったんすか?」
「ニーナさんですか?貴方の新しい脳と『能力明細』を取りに行きましたよ」
へえ、あの娘ニーナって名前なんだ。
なんか、名前まで幼女だな。俺の偏見だけど。
……で、『能力明細』って何?
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