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「転生ってあれですか?元の世界とは違う世界に生まれ変わるっていう……」
「そう、まさしくその転生です。貴方の脳や内臓をお借りしたのもそういう理由なんです。要するに、次の世界への下準備って訳ですね」
何て言うか、話が突飛過ぎてよくわからん。
下準備が必要って、そうまでしないとその世界で生きていけないって事なんだろうか。
「順を追って説明しようと思います。先ずは転生先の説明から」
何?その出張の説明みたいな感じ。
「寺尾さん、貴方には、『科学と魔法が交差する世界』に転生して頂きます」
ちょっと待てぇぇい!!
その世界どっかで聞いたことあるんすけど!
厳しいよ!
世界観被らしたらかなり話を進めるのが厳しくなるよ!
「どこかで聞いたことがあるとは思います。ですが、科学に関しては寺尾さんが元々暮らしていた世界と特に変化はありませんし、別に科学と魔法が争っているという訳ではありません」
あ、そうなんだ。
これでとりあえず話は進めやすくなったな。
それにしても……魔法か。
今までは魔法なんか空想の中の話でしかなかったし、自分が使えるようになるなんて思ってもいなかった。
逆にそう思ってたら完全に厨二だな。
「さて寺尾さん、貴方はここで二つの選択肢を選ばなくてはなりません」
「選択肢……ですか?」
一体何を選択するんだろう。
「次の世界は0歳から始めますか?それとも16歳から始めますか?」
年齢!?
それって選ばないといけないもんなの!?
「ぜ、0歳と16歳でどっちが得とかはあるんですか?」
正直言ってどっちでもいい。
となると、ここは損得勘定で決めるのが筋だろう。
「そうですねぇ、う~ん」
唸りながら考える男の人。
そういえば、この人の名前って何て言うんだろう。
「どちらも一長一短ですね。0歳コースは本当に新しく人生を始めることができます。世界の差による混乱も少ないでしょう。しかし、再び17歳になるまでは丸々17年掛かります。その間はまた子供として生活しなければなりません」
ああ、また17年を生きなきゃならないわけね。
っていうか0歳コースってなんだよ。
海外旅行に行くんじゃねーんだから。
「ちなみに、私の名前はキラです」
あ、どうも。
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