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それにしても、よくよく考えたらそうだ。
キラさんは何も説明の時に『元の世界には戻れない』って言った訳じゃないんだ。
俺が勝手にそう解釈してただけだったんだ……。
「くそ~、嵌められた~!」
「いえいえ、貴方が勝手に嵌まっていっただけですよ」
「う……」
ぐぅの音も出ないとはまさにこの事だな。
「それにしても、またニーナさんは遅いですねぇ。こっちの用意は出来ているんですが」
言われてみればまたあの幼女がいない。
なんで毎度毎度知らない内に消えてるんだ?
「そういえばキラさん、『能力明細』のこと話してくれませんか?」
「ああ、そうですね。あの娘もなかなか来ないし、補足としてお話しときましょうか」
やった、今度こそ……
『ガチャッ!』
「ただいま戻りましたー!」
帰って来たー!
「なんで同じタイミングで帰って来るんすか!」
「ほえ?そんなこと知りませんよ?」
「『ほえ?』じゃねー!」
「まあまあ。そんな事よりニーナさん、ちゃんと持って来ましたか?」
「はい!」と言って幼女は持って来たであろう物を上げる。
目の前の鉄の箱でよく見えないが、あれは……金属バット?
「え、なんで金属バット!?」
「金属バットじゃありません!これは『ネオ・ワールド・トリッパー弐号』です!」
「どうでもいいわ!そんなこと!」
すんごく嫌な予感がするんですが……。
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