第1話:運命

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しかし、今更もう遅い…もう何処も受験なんて出来ない。 それに我が家にはそんな金もない。 「…母さん、どうしたの?いきなり」 「いっぱい勉強して、少しでも私達を養ってもらいたいのよ(修二のごはん分が減るし)」 おや?なんか母さんの心の声が丸聞こえなんだけど? ごはん分が減るって……もしかして… 「それって寮って事!?高すぎるだろ!なんでいきなり」 「それが、これよ」 母さんはおんぼろテーブルに大きな封筒を乗せた。 どうやら学校の書類らしく「全寮制私立花王学園」とロゴが入っていた。 此処は知ってる、有名の超金持ち学園じゃないか!! なんでもいくら金を積んでも入学出来るのは封筒が届いた家のみだとかいう… 俺は恐ろしすぎて封筒に触れず固まった。 母さん以外の家族も封筒を見るだけで触れない…貧乏神経恨めしい。 母さんは皆の前で封筒を持ち、中を見せた。 そこにはこう書かれていた。 ー村岡修二様を我が校の入学を許可し、そして特待生として授業料、教材費、寮費などを全額免除とするー
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