540人が本棚に入れています
本棚に追加
神父:お前達も知っておろうが、町外れの森の奥にある古い神殿。あそこには、決して近づいてはならんぞ。
レナン:何故ですか?あそこには、何も無い筈ですが…?
神父:あそこには、恐ろしい悪霊が住み着いておるのじゃ。これまでに、興味本位で行った者が何人かいるらしいが、誰1人として戻って来た者は、おらぬという話しじゃ。
ジョブ:(悪霊か…本当かな?)では、何故神父様は悪霊退治をしないのですか?神職者としては、当然の務めだと思いますが…?
神父:あそこに住み着いておる悪霊は、恐ろしい力を持っておる。わし等は、到底敵う相手ではないのじゃ。
アーシャ:では、その悪霊を倒す方法は無いんですか?
神父:今のところはな…。ただ1つ、倒す方法があるとすれば、その悪霊は聖なる力に弱いという。じゃが、その聖なる力の源が何処にあるのか誰も知らぬのじゃ。
3人:……。
その翌日、ジョブがレナンの家を訪ねて来た。レナンの両親は、数年前に事故で亡くなった。彼は、両親が残してくれた家と財産で1人で暮らしていた。
ジョブ:おい、レナン。ちょっと、話しがあるんだけど良いか?
レナン:うん、良いよ。話しって何だい?
レナンは、ジョブを家に招き入れながら聞いた。
ジョブ:昨日の神父様の話し、覚えてるだろ?
レナン:ああ、勿論さ。森の神殿に、悪霊が住み着いてるって話しだろ?
ジョブ:その事なんだが、ちょっと気になる噂を耳にしたんだ。
レナン:気になる噂?何だい?
ジョブ:聞いて驚くなよ!あそこには、大量の財宝が隠されてるって噂だ。つまり、悪霊の噂はその財宝を守る為に作り出されたって事だ。どうだ?興味が沸かないか?
レナン:それじゃ、神父様が嘘をついてるって言うのか?あの神父様が?僕には、信じられないな。
ジョブ:俺は、別に神父様を嘘つき呼ばわりするつもりは、ないさ。神父様は、悪霊の話ししか知らないで、財宝の話しは知らないのかもしれないしな。
レナン:それで、ジョブ。どうする気だい?まさか、あの神殿に行こうとか考えてるんじゃないだろうね?
ジョブ:さすが、レナン!察しが良いな。俺は、アーシャと一緒にあの神殿に行くつもりだ。勿論、レナン。お前も来てくれるよな?お前は、親友兄妹を見放す様な奴じゃないもんな?
最初のコメントを投稿しよう!