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マオ:後、3本よ!頑張って!
レナン:でも、あいつまた手を伸ばして来ますかね?これだけ、指を切り落とされているのに…。
マオ:指を切り落とされた事で、かなり怒っている筈よ。だから、もう1度手を伸ばして来ると思うわ。
マオが、そう言い終わらない内に巨大ゴブリンは手を伸ばして来た。
レナン:こいつ、バカだな!
そう言うと、指を1本切り落とす。更に、もう1本切り落とした。そして、最後の1本も切り落とした。「ギギャーッ」巨大ゴブリンは、悲鳴をあげて手を引っ込めた。暫くは、何も起こらなかった。2人は、注意深く通路の出口に近付いて行った。レナンが、そっと外の様子を窺う。そこには、10本の指を全て切り落とされた巨大ゴブリンが金棒を脇に置いて、傷口から緑色の血を流しながら立っていた。司祭ゴブリンの姿は、見えなかった。巨大ゴブリンは、レナンの姿に気付くと怒りに燃えた目で見詰めながらズシン、ズシンと地響きをたてながら近付いて来た。レナンは、急いで通路の奥へ下がった。
レナン:マオさん!あいつ、出口の前まで来ちゃいましたよ!どうやって、外に出るんですか!?
マオ:そうね、どうしましょうか…?
レナン:どうしましょうか…?って、こうなる事考えてなかったんですか!?
マオは、出口から少し離れた所から外を見る。そこには、巨大ゴブリンの足が見えた。そして、その足に向かって矢を射る。「グギャッ」足を射られた巨大ゴブリンは、射られた方の足を上げて押さえている。マオは、反対側の足も射る。巨大ゴブリンは、また悲鳴をあげた。マオは、次々と巨大ゴブリンの足に矢を射る。巨大ゴブリンは、痛みに耐え兼ねたのだろう足を引き摺りながら奥へ移動して行く。
マオ:レナン君!今よ!行くわよ!
レナン:はい!
2人は、通路から出た。巨大ゴブリンは、こちらに背を向けている。
マオ:レナン君、良く聞いて!あいつの足を、徹底的に狙うのよ!出来れば、あいつが動けなくなる程の痛手を与えられたら最高よ!
レナン:分かりました!こうなったら、自棄だ!徹底的に、やってやる!
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