第二章(異世界へ)

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レナンは、そっと巨大ゴブリンの後ろに近付くと思い切り足に切り付けた。傷口から、緑色の血が飛び散る。「ギギャーッ」巨大ゴブリンは、悲鳴をあげる。そして、指の無い手でレナンに殴り掛かって来る。レナンは、それを軽々とかわす。そして、再び足に切り付ける。今度は、足の指を狙った。巨大ゴブリンの、左足の指2本が切り落とされた。「ギギャーッ」悲鳴をあげながら、殴り掛かって来る。巨大ゴブリンは、完全にレナンに気を取られていた。マオは、いつでも矢を射られる様に構えた。額を狙う隙、それを待っていた。レナンは、巨大ゴブリンの足に再び切り付ける。そして、1度に3本の指を切り落とした。片足の指を、全て切り落とされた巨大ゴブリンはバランスを失った。その時だった、マオが巨大ゴブリンの額の中央目掛けて矢を放った。矢は、見事に命中した。「ギギャーッ」巨大ゴブリンは、悲鳴をあげてズシンと地響きをたてて仰向けに倒れた。素早くレナンが額の中央に思い切り剣を突き刺す。そして剣を抜き、再び突き立てる。巨大ゴブリンは、まだ動いている。レナンが剣を抜いた後をマオが矢で射る。2人は、交互に巨大ゴブリンの額の中央を攻撃した。どれくらい時間が経ったのだろう、巨大ゴブリンは、ようやく動かなくなった。 レナン:しぶとい奴でしたね…。 マオ:ええ。体が大きい分、普通のゴブリンより耐久性があるのかもしれないわね。 2人が、そう話していると物陰から何か出て来た。さっきの、司祭ゴブリンだった。どうやら、逃げるつもりらしい。 レナン:逃がすかよ! そう言って、司祭ゴブリンに切り掛かった。司祭ゴブリンの背中が切れて、緑色の血が噴き出す。「キキーッ」悲鳴をあげて、仰向けに倒れた。すかさずレナンは、額の中央を突き刺した。司祭ゴブリンは、動かなくなった。 レナン:これで、ゴブリンは全滅したんでしょうか? マオ:多分ね。さっきの巨大ゴブリンが、皆を纏めるリーダー的存在だったと思うわ。もし、何体かのゴブリンが残っていたとしてもリーダーが居ないんじゃ、何も出来ないと思うわ。 広場の奥には、大きな扉があった。2人は、その扉を開けた。そこは、外だった。ずっと洞窟に居たせいだろう、空気が美味しかった。レナンは、深呼吸をした。 レナン:やっと、外の空気が味わえる。 マオ:そうね。何だか、ホッとしたわ。さあ、行きましょうか?
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