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第三章(再会)
外は、すっかり明るくなっていた。一晩中、魔物と戦っていたのだ。しばらく歩くと、大きな町の門に着いた。そこには、門番らしき男が2人立っていた。その内の1人に、マオが声をかけた。
マオ:今日は!久しぶりね!
門番:やぁ、マオさん。どうされたんですか?
どうやら、マオと顔馴染みらしかった。レナンは黙って、それを見ていた。
マオ:お城に行きたいの。通って良いかしら?
門番:勿論です。おや?その方は?
門番は、レナンの方を見る。目が合った。レナンは、お辞儀をした。
マオ:私の友達よ。彼も、一緒に良いでしょ?
門番:そうですか。なら、構いませんよ。
そう言うと、門番は門を開けてくれた。2人は、門の中に入った。中は、賑やかな大きな町だった。さしずめ、城下町といった所だろう。何処からか、良い匂いがしてきた。レナンの腹がグーッと鳴った。
レナン:マオさん、お腹空きませんか?
マオ:そうね。昨日から、何も食べてないものね。
レナン:何か、食べませんか?
マオ:それなら、私の馴染みの店があるの。そこへ行きましょう。
そう言って、マオは歩き出した。レナンも、その後に着いて行く。やがて2人は、ある店の前に着いた。扉に何か書いてあるが、レナンには読めなかった。
マオ:ここよ。ここの料理は、美味しくてボリュームたっぷりなの!
そう言ってマオは、店の扉を開けた。カラン、カランと扉に付いている鈴が鳴った。店の中からは、良い匂いがしてきた。
マオ:おじさん!居る?
すると、奥から店主らしき初老の男が顔を出した。
店主:やぁ、マオちゃんじゃないか!?久しぶりだな!
マオ:ええ、本当に…。
店主:姫様が、あんな事になって以来だな。まったく、魔王の奴め!!
マオ:お腹が空いているんだけど、何か食べさせてくれない?メニューは、おじさんにお任せするわ。
店主:あいよ!じゃあ、その辺の空いている席に座っててくれ。
そう言うと、店の奥へ引っ込んで行った。2人は、近くの空いている椅子に腰を降ろした。店の中には、2人の他にも沢山の客が居た。人気のある店なのだろう。レナンの腹が、またグーッと鳴った。レナンは、恥ずかしくて下を向いてしまった。
マオ:よっぽど、お腹が空いているのね。もうすぐ料理が来るから、もう少し待っていてね。
クスクス笑いながら、言った。
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