第三章(再会)

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マオ:逆よ。皆、姫様の事が心配でしょうがないの。でも、自分達には何も出来ない。だから、こうして忙しく働いたりして気を紛らわしているのよ。 レナン:そうだったんですか…。 マオ:さあ、お城に行きましょう。 2人は、城に向かって歩き出した。しばらく歩くと、城が見えてきた。2人は、黙って歩き続けた。やがて、城の門に着いた。門には、門番が2人立っていた。 マオ:少し、ここで待っていて。 そう言うと、門番に向かって歩き出した。レナンは、言われた通りに待っていた。マオが、門番の1人と話しているのが見えた。だが、何を話しているのかまでは聞き取れない。やがて、マオがレナンに向かって手招きをした。レナンは、マオの所へ行く。門番の1人が、レナンを見た。レナンは、思わずすくんでしまった。 門番:マオさん、この人がですか?今まで何人もの兵士や戦士達が、行ったきり誰1人として戻って来ていないのに…。 マオ:この人なら、大丈夫。私は、そんな気がするの。だから、王様に逢わせてくれる? 門番:マオさんが、そこまで言うのなら良いですよ。 そう言うと、城門を開けてくれた。 マオ:有り難う!それじゃレナン君、行きましょう!そう言うと、スタスタと城門の中へ入って行った。レナンも、慌てて後を追う。そして、城の入り口に着いた。マオは扉を開けると、何の躊躇もなく中へ入って行った。レナンも、その後に続く。奥から、1人の女性が現れた。おばさんと言って、良い位の年だろう。 女性:あら、マオちゃんじゃないか?どうしたんだい? と、親しげにマオに話しかけた。 マオ:おばさん、今日は。今、王様にお逢いする事は出来るかしら? 女性:そうだね~。多分、大丈夫だと思うけど…。ちょっと、待ってて。今、聞いて来てあげるから。 そう言うと、城の奥へ姿を消した。 暫くすると、鎧を身に付けた初老の男性が現れた。 男性:おや、マオちゃんじゃないか?久しぶりだね。うん?そちらの方は? と言って、いぶかしげにレナンの方を見る。 マオ:友達のレナン君よ。ある事情があって、ここへ来たの。 男性:ある事情?ふむ、まあ良い。わしは、ここの兵隊長をしているバドという者じゃ。宜しくな。 そう言って、にっこりと笑うと手を差し出した。 レナン:は、初めまして。僕は、レナンと言います。宜しく。
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