第三章(再会)

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そう言って、差し出されたバドの手を握った。 バド:それにしても、ここ数日客が多いのぅ。 マオ:客って、他にも誰か居るの? バド:ああ。昨日、裏山を見回っている時、魔獣に襲われている者達がおってな。その2人を、助けたんじゃ。 レナンは、慌ててバドに尋ねる。もしかしたら…。 レナン:2人って僕位の男の子と、それより少し下の女の子じゃなかったですか? バド:ああ、そうじゃよ。確か、兄妹と言っておったな。 レナン:間違いない!ジョブとアーシャだ!無事だったんだ! レナンは、喜びのあまり涙を流していた。 バド:何じゃ?知り合いじゃったのか?なら、逢わせてあげよう。こっちに、おいで。 そう言うと、城の奥へ向かって歩き出す。レナンも、その後を追う。 マオ:私は、ここで待っているわ。 レナンは、振り向きながら頷いた。暫く歩くとバドは、ある部屋の前で立ち止まった。 バド:2人は、この部屋の中じゃよ。 そう言って、部屋の扉を開けてくれた。レナンは、部屋の中へ駆け込んだ。そこに居たのは、間違いなくジョブとアーシャだった。 レナン:ジョブ!アーシャ! ジョブ&アーシャ:レナン! 3人は、互いに駆け寄り抱き合った。再会の嬉しさに、3人共涙を流していた。 レナン:2人共、今までどうしていたんだ? ジョブ:俺達が、気が付いたのは山の中だったんだ。 アーシャ:その山の中には、不気味な見た事もない生き物がいたの。後でバドさんに聞いたんだけど、それは魔獣っていう魔物だったの。 ジョブ:俺達も、最初は戦っていたんだけど、倒しても倒しても次から次へと来やがってさ。たまんなかったぜ…。 アーシャ:それで私達、逃げたのよ。走れるだけ走って、もう駄目だって思った所にバドさんが来てくれたの。 バド:わしが見付けた時には、2人とも疲れきっておってな。それに怪我もしていた様なので、こうしてこの城に連れて来たという訳じゃ。 レナン:怪我?大丈夫なのか? ジョブ:ああ、大した事ねぇよ。ちょいと、魔獣って奴に引っ掻かれただけだから。 アーシャ:私の治癒魔法も、あまり効果が無かったのよ。でも、バドさんが手当てしてくれたから、もう大丈夫よ。 レナン:バドさん。2人が色々と、お世話になって有り難う御座いました。
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