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そう言って、差し出されたバドの手を握った。
バド:それにしても、ここ数日客が多いのぅ。
マオ:客って、他にも誰か居るの?
バド:ああ。昨日、裏山を見回っている時、魔獣に襲われている者達がおってな。その2人を、助けたんじゃ。
レナンは、慌ててバドに尋ねる。もしかしたら…。
レナン:2人って僕位の男の子と、それより少し下の女の子じゃなかったですか?
バド:ああ、そうじゃよ。確か、兄妹と言っておったな。
レナン:間違いない!ジョブとアーシャだ!無事だったんだ!
レナンは、喜びのあまり涙を流していた。
バド:何じゃ?知り合いじゃったのか?なら、逢わせてあげよう。こっちに、おいで。
そう言うと、城の奥へ向かって歩き出す。レナンも、その後を追う。
マオ:私は、ここで待っているわ。
レナンは、振り向きながら頷いた。暫く歩くとバドは、ある部屋の前で立ち止まった。
バド:2人は、この部屋の中じゃよ。
そう言って、部屋の扉を開けてくれた。レナンは、部屋の中へ駆け込んだ。そこに居たのは、間違いなくジョブとアーシャだった。
レナン:ジョブ!アーシャ!
ジョブ&アーシャ:レナン!
3人は、互いに駆け寄り抱き合った。再会の嬉しさに、3人共涙を流していた。
レナン:2人共、今までどうしていたんだ?
ジョブ:俺達が、気が付いたのは山の中だったんだ。
アーシャ:その山の中には、不気味な見た事もない生き物がいたの。後でバドさんに聞いたんだけど、それは魔獣っていう魔物だったの。
ジョブ:俺達も、最初は戦っていたんだけど、倒しても倒しても次から次へと来やがってさ。たまんなかったぜ…。
アーシャ:それで私達、逃げたのよ。走れるだけ走って、もう駄目だって思った所にバドさんが来てくれたの。
バド:わしが見付けた時には、2人とも疲れきっておってな。それに怪我もしていた様なので、こうしてこの城に連れて来たという訳じゃ。
レナン:怪我?大丈夫なのか?
ジョブ:ああ、大した事ねぇよ。ちょいと、魔獣って奴に引っ掻かれただけだから。
アーシャ:私の治癒魔法も、あまり効果が無かったのよ。でも、バドさんが手当てしてくれたから、もう大丈夫よ。
レナン:バドさん。2人が色々と、お世話になって有り難う御座いました。
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