第三章(再会)

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王:うむ。聞く所によれば、その3人は外の世界から来たと言うが本当か? マオ:はい。その通りで御座います。 王妃:こう言っては失礼になるかも知れませんが、外の世界から来た方々が本当に魔王と戦えるのですか? ジョブが、一瞬ムッとした顔をした。 マオ:王妃様。私は、ここまでの道中このレナンという者と一緒でした。途中、何度も魔物達に襲われましたが、それを乗り越えて来ました。彼は、知恵も勇気もある素晴らしい戦士だと思います。 王妃:そうですか。では、他の2人はどうなのです?見れば1人は、まだ少女ではありませんか? 今度はアーシャが、一瞬ムッとした顔をした。 バド:わしが、この2人を助けた時2人共、魔獣と戦った後だった。どんな戦いだったかは、2人の傷を見れば想像がつく。この2人もまた、勇敢な戦士だとわしは思う。 王妃は、黙ってしまった。重苦しい沈黙が、辺りを包んだ。その沈黙を破ったのは、王だった。 王:では、そなた達3人に姫の救出を頼む事にしよう。だが、3人だけでは心許無かろう。ここの兵士を、何人か同行させよう。それで良いな? マオ:有り難う御座います。 そう言って、レナン達を見る。3人は、慌ててお辞儀をした。 王:今日は、もう疲れたであろう?この城に、泊まるが良い。マオ、お前も今日はここに泊まりなさい。 マオ:はい。有り難う御座います。 王は、1人の兵士を呼んで何か言っていた。兵士は頷くと、会釈をして部屋から出て行った。暫くすると、1人の女性が中に入って来た。王は、その女性に何かを言い付けている様だった。女性は、頷き会釈をして部屋から出て行った。 王:ところで、そなた達の名は? レナン:レナンと言います。 ジョブ:ジョブと言います。 アーシャ:アーシャと言います。 王:レナンに、ジョブに、アーシャか、分かった。そなた達が、無事に姫を救出出来た暁には何が欲しい?金でも宝石でも、好きなだけくれてやるぞ。 レナン:いいえ、何も要りません。 王:何も、要らぬじゃと? レナン:はい。僕達は、元の世界へ帰りたいんです。ですから、姫様を無事に救出した時は時空門を開いて欲しいのです。それだけです。 ジョブとアーシャも、頷いた。 王:それだけか?他に褒美は、要らぬのか? 3人:はい! 王は、驚いた様に目を丸くした。それは、王妃も同じだった。
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